お葬式コラム

心記思伝~生きざまと言葉の重み~

瞽女(ごぜ)・・・皆様はこの存在をご存知でしょうか。
私はメディアを通して彼女たちの存在を知り、そして三味線を奏でながら耳に届く歌声に、なんとも云えない感動を覚えました。
この瞽女が生まれたのは明治から大正初期にかけてといわれ、盲目の女性旅芸人として三味線を弾き、歌を歌って門付(かどづけ…日本の大道芸の一種 門口に立ち行い、金品を受け取る形式の芸能の総称)をしながら、山里を巡業し暮らしをたてておりました。
当然ながら、この時代には盲学校はなく男性であれば他の仕事もあったと思われますが、女性の場合は仕事そのものがなく瞽女になるしか道がなかったともいわれております。
そして彼女たちの母親は、娘が将来、独り立ちができるようにと幼いころから心を鬼にし、日頃から厳しく育て6才くらいになれば瞽女へ修行へと送り出す。
まだ小学生になるかならないかの子供と別れなければいけない親の心、盲目のうえ、まだまだ親に甘えたい盛りの子供が親と離れ、想像を絶する修行の道へ出されるその心。
離れ離れになる家族の心中を思うと、言葉では言い表せない切なさが込み上げ、胸の中が熱くなってきました。
今の時代には想像もできない境遇の中で云いたいことも云えず、食べたいものも自由に食べられない、生きていく為にはどんな理不尽なことも受け入れなければならない、とても簡単な言葉で表現できるものではなく、健常者であり衣食住と満ち足りた私には、到底全てを理解できるものではありません。
最後の瞽女、人間国宝とまでいわれた方が実際に話されていたことです。
「次に生まれたら虫になってもいいから眼の見える人生を生きたい」この言葉の重みたるやその人生を生きてきた人でないと云えない事であり、伝わらない事だと思います。
私達の周りには多くの情報があふれ全てが便利になり、流行り言葉が溢れては消え、テレビやネット・雑誌には説得力のない言葉達が目に飛び込み、実際の真実さえもが分からない時代背景になっているような気がします。
せめて身近で大切な方、そして離れて暮らす家族には、伝えなければならない事・共有しなければいけない事・自身の言葉で遺しておく事=心記想伝私達はこれからも心に留め、大事にしていきたいと考えております。

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